こんにちは! RESET麻布十番トレーナーの上運天です。
今日は(ドM説、ドS説)についてお話します。
筋トレで限界まで自分を追い込む人を見ると、「あの人ドMだな」と言われることがある。
確かに、苦しそうな表情で必死にバーベルを押し上げる姿は、そう見えるかもしれない。
けれど、実際にその瞬間を経験している本人からすれば、それはまったく違う。
筋トレで本気で自分を追い込める人は、ドMではなくドSだ。
なぜなら、自分を支配しているから。
「もうキツい」「これ以上は無理」と体が悲鳴を上げても、
心のどこかで「まだいける」と冷静に命令を下す。
痛みを快楽として受け入れるのではなく、痛みを意志の力でコントロールする。
つまり、自分の中の弱さや怠けをねじ伏せている側なのだ。
この「支配する感覚」こそが、追い込める人の強さ。
ただ重いものを持ち上げているようで、
実は自分の中の“限界”という壁を毎回超えようとしている。
筋トレは筋肉を鍛えるだけではなく、
自分という存在をコントロールする練習でもある。
本当に追い込める人ほど、自分の甘えに厳しく、妥協を許さない。
「今日ぐらい休んでもいいか」という声を、自らの意思で封じる。
それは他人に厳しいのではなく、自分に最も厳しくできるということ。
この時点で、すでに“支配する側”に立っている。
筋トレの魅力は、体の変化だけじゃない。
その過程で、自分を律する力や、
自分の中の弱さと真正面から向き合う強さが身についていく。
だから、追い込める人はドMではない。
むしろ、自分を操ることができるドSなのだ。
筋トレは肉体を鍛える行為であると同時に、
“自分を支配する力”を磨くための最高の修行でもある。
今日も限界を超えようとする人たちは、
静かに自分の中の甘えを叩き伏せながら、
新しい自分をつくり続けている。



